桜えび豆知識
桜えび漁業って?
桜えび漁の篝火
桜えびを港に水揚げ
桜えび漁の時期
桜えび漁は、春と秋の年2回行われます。
・春漁:3月終り~6月始め
・秋漁:10月末~12月末
桜えびの産卵は5月~10月、6月~8月に最盛期となります。昔は一年中漁を行なっていましたが、この時期に獲ってしまうと資源が無くなってしまいます。ですので、静岡県漁業規制規則により、資源保護のために6月11日~9月30日を禁漁期間として、漁期を限定しています。
桜えびの寿命は15ヶ月ほど。一般的に、秋漁で獲れた桜えびは、漁獲場所やその年々の状況(海水温や天候など)にもよりますが、産卵が終わってまだ若いため、殻が柔らかく大きさも小さい傾向があります。
ところで、秋漁で漁獲された桜えびを天日干しすると、春漁と比べて色が白っぽく仕上がります。それは、秋漁が行われる時期は春より日差しが弱くて気温が低いことと、桜えびの殻の厚さが違うことが関係していると思われます。
市場に並ぶ桜えび
『プール制』の導入
桜えび漁を行う漁船は全部で120隻、2隻一組となって網を曳く「2艘船曳き漁法」を行なっています。そして、現在の桜えび漁業はプール操業体制をとっています。
プール制とは水揚げ金額を均等に分配する方法です。おおまかに言うと、10隻の船で漁獲した桜えびの漁獲高が1000万円だった場合、1隻当り1000万円÷10艘=100万円が分配されるという事です。
このような制度が桜えび漁業に導入されたのには、
・大漁貧乏による魚価安
・漁業資源の減少
という二つの側面があります。
桜えび漁は漁場が狭く資源が限定されているので、漁船毎の競争が激しくなると獲りすぎで単価が下がって漁業者の生活が苦しくなり、さらに資源が枯渇すると漁業経営がやっていけなくなってしまう可能性があります。そのために、1966年5月から導入が試みられ、資源管理を行いながら漁業者の生活が成り立つような制度になるよう、制度の改良が加えられてきました。
今では「資源管理型漁業」のモデルとして全国の漁業関係者から注目される存在となっています。
先にも書きましたが、桜えびの漁業権は国の制度によって今の漁業者に限定されています。しかしそのために、この「桜えび」という貴重な水産資源を、後世へと永続的に残すために管理しなければならないという大変重い責任があります。
当店をはじめ、桜えびが水揚げされる由比港・大井川港で直接買い付けを行うことができる業者は限られています。当店はこの貴重な桜えびの入札資格をもつ一社として、これから先も「桜えび」を『地域の宝』として残していけるよう、努力していかなければならないと考えています。